ブルーノプロデュース写真展公演

本公演は、武蔵大学写真部有志写真展「5限後の音楽」との共同企画として上演されました。

 

『暗室』"小林紀晴「暗室」幻冬舎"

構成・演出 / 橋本清

音楽 / 涌井智仁

2011/03/04~03/09

PiPPO

 

タイムテーブル

5バージョン全13ステージ

○はギャラリー、●は暗室にて上演いたしました。

  3/4(金) 5(土) 6(日) 7(月) 8(火)

9(水)

14:00開演 ●3限 ○2限 ○2限 ●1限 ●3限 ○2限
16:00開演   ○2限 ○4限      
18:30開演 ○4限   ●1限 ○4限 ●5限 ●5限

 

出演

●1限「ハニカミジェーン」:

原麻理子・山端拓哉

 

○2限「ローラースケート・パーク」:

小島和明・スズキヨウヘイ・中本章太・西田未希・平舘宏大・涌井智仁

 

●3限「なんにもないへや」:

スズキヨウヘイ・西田未希・橋本仁・涌井智仁

 

○4限「丘サーファー」:

黒川モモ・SUSUMU TANIMOTO a.k.a.谷本進(NEVER LOSE

 

●5限「AM5」:

大野香織・浜中峻

 

リンク

『5限後の音楽』公式ブログ<<写真展についての詳細はこちらから!!

『5限後の音楽』公式ツイッター

PiPPO

 

演出より

写真家にとって「暗室」は、作品づくりにおいて非常に重要な空間です。
そこで集中しなければならないゆえに、他者が入り込むことを極端に嫌います。
しかし重要だからこそ、「暗室」の闇からこぼれ落ちそうになったものを、
他者に知ってもらいたいとも想ってしまいます。
演劇もまたそうで、稽古で起こっていること 、それが舞台になっていくこと、
そして舞台で観客と新たに起こってくること、 の関係はなかなか私たちの目に見えてきません。
社会の中で、演劇がどう存在しているのか、その実態は影を潜めています。
小林さんの『暗室』は、そういった 様々な閉鎖性を、ネガティブに捉えず、「神秘的」に描いた小説だと思います。

感光して消えてしまいそうな、けれども誰かに見てもらいたい、そんな儚く脆い数多くの想いが漂っています。
写真というのは、そうした過ぎ去るものを定着さ せていく機能を持っています。
反対に、生身の私たちが記憶を、情報を、事件をいくら再生しようとしても、その場で次々に消えていってしまいます。
それなのに私たちは日々何かを反復し、反省して生きています。
言葉にできない個人の原風景が至るところに浮遊しています。

現像液にひたっている印画紙から、像を浮かび上がらせるのは音楽なのかもしれません。
もしかしたら、戯曲や俳優たちの身体、観客の存在なのかもしれません 。
「写真」「音楽」「演劇」を通して、この世界の、まだ一度も人の目に触れられていない景色が一瞬でも見えたらそれはきっと素晴らしいことでしょう。
思い出は、過去のものではなく、現在の私たちから日々、零れ続ける水滴なのかもしれません。
是非とも、実際にその目に触れてください。
あなただけのシャッターをきってください。お待ちしております。

ブルーノプロデュース主宰 橋本 清



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